ヒーラーがコロシアムで意識すること



コロシアム中では何を意識するべきかというのは述べたが、勝つという意識は必ずしも必要ではないように思われる。「勝たないといけない。だから、もっとうまい立ち回りをしなくちゃ」と気が焦ってしまい、ふだんの立ち回りができなくなってしまう可能性があるからである。戦況の劣勢時に誰を回復させるべきか。その状況判断ができなくなってしまうようであれば、それらの意識はむしろないほうが望ましい。

もちろん、勝負は勝ちたいという気持ちがあって臨むものである。それが理想的だとは思うが、ヒーラーも同様にそうするべきだと思っていたら、考え直した方がいい。勝つ意識は勝利に貢献するとは限らない。むしろ負ける可能性を高めることもある。では、何を心がけるべきだろうか。

一つの答えとしては、「心がけない」ことである。何も心がけず、たんたんと立ち回りに必要なことだけをこなすこと。これに限る。単純作業と思われるかもしれないが、実はそうではない。単純作業とは何も考えないことである。心を無にすることで、勝利に貢献することを考えるのである。

ひたすら回復のタイミング、ターゲット、味方との連携。それらを臨機応変に考えていく。そうすることで、ヒーラーの役割を全うする。自分でできる役割をこなすのである。

また、この「無にする」ということの効用はこればかりではない。自分の限界を知るという意味でも役に立つのである。気が焦って「回復しなくちゃ」と思ったり、「もっと回復しておけばよかった」と反省する人がいる。しかし、それが本当に正しい反省なのか。十分な検討をした上での観点なのか。感情的にならず、できているのだろうか。コロシアムで勝利できたとしても、「ここの立ち回りがダメだった」など、冷静により客観的に分析できていなければ、意味がないのではないだろうか。

正しく自己を振り返るためにも、心を無にすることは自分のためにもギルメンのためにも必要なことである。それらを忘れず、自分の与えられた責任をこなすことが重要である。